ケンブリッジ大学ダウニング・コレッジ夏季講座 体験談6

体験談6  2013年度参加 文学部3年 R・Sさん

“日本にいては意識できなかった違いを実際に体感できたという面で
4週間という短い期間でも留学に行く価値はあったと思いました。”

【現地研修の内容】

この講座では、前半2週間が英語能力向上のための授業で、後半2週間がストランドに分かれての専門的な授業が行われました。ダウニングの先生は英語に慣れていない私にもわかりやすくゆっくり話してくださり積極的な発言が促されたため、英語を聴くこと、話すことに対して抵抗がなくなりました。英語の授業内容も身近なものの英語表現であったり、アメリカ英語とイギリス英語の違いであったりとなじみやすく、英語の勉強が楽しく行えたと思います。

英語の授業を通して感じたことの一つにイギリス人はイギリス英語に対してとても誇りを持っているのだということがあります。私がふだん英語を使う際にイギリス英語とアメリカ英語の違いを特に注意されたり、意識をしたりすることはあまりなかったのですが、英語の先生やTAは「イギリスではこの表現は使わない」と細かく注意してくださり、私たちにイギリス英語とアメリカ英語のちがいを教えてくれました。日本にいては意識できなかった違いを実際に体感できたという面で4週間という短い期間でも留学に行く価値はあったと思いました。

 


また、この講座ではプレゼンテーションを行う機会が非常に多く、短期間で多くのことを深く学ぶことができました。最初のプレゼンテーションでは自分がボランティアに行ったことがある東日本大震災について取り上げました。私は東北の津波や自身の被害について取り上げましたが、TAとプレゼンテーションの内容を相談した際、「福島第一原発についてではないの?」と聞かれ、海外では震災の被害よりも原発についてクローズアップされて報道されているのだろうかと感じました(もちろんそのTAはドイツ人だったためかもしれませんが)。もっとこういった固いトピックについてTAと話すことができれば、海外と日本との意識の差もわかったのではないかと考えるとそういったことを話せる英語力と機会を持たなかったことに対しとても残念に思いました。

後半の2週間はストランドに分かれての授業でした。私は科学を選択していたので脳神経とカオスについてそれぞれ1週間かけて学びました。普段科学についてほとんど勉強することがないため初めて学ぶことも多く、授業が英語だったことに加えとても難しく感じました。授業の予習復習と並行してプレゼンテーションの準備もしなければならず、忙しかったですが友人やTAに助けられてとても充実した毎日を送ることができたと思いました。

後半の2週間でとくに印象に残ったことはやはり2つのプレゼンテーションです。脳神経について学んだ週では、夢についてのプレゼンテーションを行いました。夢というのはまだ解明されていない部分も多くとても難しい分野だったのですが、私たちは授業で学んだことを活かしながら自分たちで夢発生のメカニズムについて仮説をつくることに挑戦しました。とても難しい分野ゆえに夢について理解することがまず難しく、理解に時間をかけてしまったためあまりプレゼンテーションの工夫に時間をかけることができなかったのが反省点の一つにありますが、難しい分野について理解を深めることができたことはとてもよいことであったと思いました。2週目のプレゼンテーションではカオス理論の中で出てきた偉人の一人であるアイザック・ニュートンについて取り組みました。プレゼンテーションの内容をよりわかりやすくするために劇を取り入れることで他のグループとの差異を生み、プレゼンテーションに工夫をいれこむことができたと思います。プレゼンテーションの機会を多く取り入れていただいたことは、単なる英語力の向上だけでなく仲間とのディスカッションやプレゼンテーションそのものへの工夫など多くを学ぶことができ、とても有意義であったと思いました。

【現地研修を終えて】

この講座全体を通して、私はイギリスの文化や歴史について深く学べたと思います。ダウニング・コレッジを含むケンブリッジの歴史ある建物や休日にロンドンに出かけたときのミュージカル、観光地の建物はどれも日本にはないイギリスらしさを堪能できました。ガイドやフェローの講義によってその建物の歴史を学ぶことができ、とてもよかったと感じました。また友人やTAと素晴らしい関係を築けたことは何よりの宝だと思います。

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