留学先到着後

1. 在留届

旅券法第16 条により、外国に住所又は居所を定めて三ヶ月以上滞在する日本人は、住所または居所を管轄する日本の大使館または総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられています。留学 先に到着後、必ず最寄りの大使館または総領事館に「在留届」を速やかに提出し、テロや災害などの緊急時に在留邦人としての法的保護(安否の確認など)を受けられるように手配してください。
- 外務省海外旅行登録 たびレジ(3 ヶ月未満の渡航を予定している場合)
 - 在留届電子届出システム ORRnet(3 ヶ月以上の滞在を予定している場合)

2. 留学生アドバイザーとの面会

大学ごとに役割は異なりますが、一般的に留学生アドバイザーは留学生として守らなくてはならないルールや義務を理解・遂行できるよう援助し、よりよい留学生活を送れるよう手助けしてくれます。留学中、何かとお世話になると思いますので、自己紹介を兼ねてまずはオフィスを訪ねてみましょう。

3. オリエンテーションへの参加

留学先の大学でオリエンテーション(留学生向け、新入生向け)が実施される場合は、自由参加であっても必ず参加してください。オリエンテーションでは、大学の概要や学生登録、履修登録方法等の学内情報の ほか、生活を軌道に乗せるために必要な多くの情報が提供されます。特に留学生向けのオリエンテーションは、そこでしか得られない情報があるだけではなく、知り合いを作るよい機会となります。

4. Plagiarism(プレイジャリズム・盗作・剽窃)

Plagiarism とは、他人が書いたものを無断で引用することであり、犯罪行為です。Plagiarism を行った場合は、当該科目や当該学期履修科目全てが不合格(Fail)となる他、さらに厳しい処分を受ける可能性があります。自らのレポートの中で、論文・雑誌・新聞等を引用する場合は、引用箇所を明確に示し、出典を明らかにする必要があります。また、不正確な引用(勝手な改ざん)はしてはいけません。Plagiarismの例は以下のものがあります。

1)論文・本・新聞等を写す
2)インターネット上の情報をコピー&ペーストする
3)他人(友人や先輩)の書いたレポートを写す
4)1)〜3)の末尾などを変えて、自分が書いたように見せかける

5. 海外での危機管理と健康管理

海外では、日本とは異なる危機管理および健康管理が必要です。それぞれ関連情報等を渡航前に十分に調べておきましょう。海外旅行保険等には必ず加入し、万が一の場合に備えるようにしてください。 
 また、海外に渡航・滞在する場合には、外務省が実施している渡航登録サービスにて渡航・滞在予定を登録してください。
危機管理
 スリや置き引きなどの被害に遭ったり、誘拐、脅迫、テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう、外務省が発出する渡航情報および報道等により滞在国の最新の治安状況・テロ情勢、社会情勢、犯罪の傾向・手口などについて常に最新情報を収集してください。
 - 海外では日本と同じ感覚で行動しないよう十分に注意する。
 - 自分の身は自分で守るという意識を持つ。
 - 現地の緊急連絡先(大使館、領事館、大学緊急連絡先等)を調べ、そのメモを常に携行する。
 - 警察、救急車、火事の際の緊急連絡先を調べておく。
 - 政情や治安が不安定な危険な場所には絶対に近づかない。夜間の外出や一人歩きは控える。現地の人が行かない場所には絶対に近づかない。
 - 多額の現金や貴重品は持ち歩かない。
 - 日本人を含めた面識のない人を安易に信用しない。
 - 政治的な話や特定の国や民族、宗教、習慣、文化などについて大声で話さない。
 - 麻薬や覚せい剤などの薬物には絶対に手を出さない。他人の荷物を安易に預からない。
 - トラブルに巻き込まれた場合には、大使館、領事館、現地警察等に相談する。
 - パスポート、クレジットカード、航空券、海外旅行保険などについてコピーや番号を控えておく。

健康管理
 渡航先の気候や医療事情に関する最新情報や感染症情報、病気にかからないために注意すべきことについて渡航前に十分に調べておきましょう。
 - 滞在先付近の医療機関を調べておく。
 - 渡航先に応じて予防接種を必ず受ける。
 - 持病がある場合には、英語や現地の言語でメディカル・レポートを作成しておく。渡航期間中に必要な薬をもらっておく。
 - 適度な量の食事を心がけ、生水・生もの・生野菜には十分に注意する。
 - 常備薬を持参する。
 - 精神的なストレスを感じるようであれば、家族、友人、学生相談室、現地大学のカウンセラー等に相談してみる。
危機管理・健康管理関連 Web サイト
 - 外務省 海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
 - 外務省 海外安全虎の巻:https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/toranomaki.pdf
 - 外務省 世界の医療事情:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
 - 厚生労働省検疫所 FORTH:https://www.forth.go.jp/
 - 国立感染症研究所:https://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
 - 独立行政法人国立国際医療研究センター国際感染症センター:https://dcc-ncgm.jp/
 - 世界保健機関(WHO):https://www.who.int/en/

渡航登録サービス
 海外に渡航・滞在する場合には、外務省が実施している以下の渡航登録サービスにて渡航・滞在予定を登録してください。
 - 外務省海外旅行登録 たびレジ(3 ヶ月未満の渡航を予定している場合)
 - 在留届電子届出システム ORRnet(3 ヶ月以上の滞在を予定している場合)

6. カルチャーショック

海外では、文化や言語の違いから、今まで自分が培ってきたことが通用しないことがあり、カルチャーショックを受けるケースがあります。症状は様々ですが、今後に対する不安感や摂食障害、うつ、著しい疲れなどが挙げられます。少しでもカルチャーショックかもしれないと感じた時に、思い起こして頂きたい事項を以下に挙げますので、参考にして下さい。

1)主な症状
①孤独感を感じたり、欲求不満や神経質になったりする。
②ひどいホームシックになる。
③感情的になる。
④大学で、同じ日本人仲間に頼りすぎる。
⑤留学していること自体に疑問を持つようになる。
⑥外国語を話すことがおっくうになったり、人と会いたくなくなったりする。

2)克服法
①今現在のことだけにとらわれないこと。
②自分のやりとげたい目的は何かを見直すこと。
③日本人的価値観で物事を判断しないよう心がけること。
④自分の近況や気持ちなどを「書いて」みること。
⑤一人で引きこもらず、助けを求めること。

また、日本に帰国した際、逆のカルチャーショックを経験するかもしれないことも覚えておいて下さい。孤独感や疲労感、留学先に戻りたい衝動、日本に対する怒りや絶望感といった精神的なものに加えて、肉体的な症状まで伴うこともあり得ます。人によっては、留学時に経験するカルチャーショックよりも大きい場合があります。対処する方法として以下のようなことが挙げられます。

①日本のどのような価値観や習慣、行動様式に違和感を感じるのか、留学経験を通して自分の中で何が変わったか、その変化が家族や友達との関係にどのように影響しているのか等について「書き出して」みる。
②留学経験者から克服法について話を聞く等、経験者同士で共感できる場を作る。
③留学先の友人と連絡を取り合う等、留学先の国の文化に触れる機会を多く持つ。
④留学中に、逆カルチャーショックについて話したり、考えたりして、心の準備をしておく。