ケンブリッジ大学ダウニング・コレッジ夏季講座 体験談4

体験談4  2012年度参加 理工学部3年 S・Tさん

【現地の様子】

ケンブリッジでの時間はゆったりと流れます。15分ごとに教会の鐘の音が街中に響き渡り ます。ダウニング・コレッジの正門を出て通りへ出ると、喫茶店や雑貨屋さん、骨董品店など異国情緒漂うお店がずらりと並んでいます。
街の中心部、キングス・コレッジやトリニティ・コレッジのある方へ向かうと、大学の建物に挟まれるようにして、デパートや商店街などあらゆる種類のお店で賑わっています。

 

早朝は、通りを走る車は少なく足早に駅へと向かう自転車を数台見かける程度です。8月でもケンブリッジの朝は薄暗く少し肌寒いですが、朝食を提供してくれる喫茶店は開いており、店内から漂う香ばしいパンの匂いが何ともいえない暖かみを感じさせます。

昼時になると街は活気に満ちあふれます。特に休日は、世界中の観光客や地元の買い物客でデパートの前や商店街の周りはとても混雑します。

私はキングス・コレッジ近くの本屋へ向かうとき、それを避けるためによく路地を歩きました。路地は、レンガ造りの建物の陰になっていることが多く、こじんまりとしたお店がたくさんあります。ヨーロッパ中のチーズを扱うお店、洋服の仕立て屋さん、パブ、ギャラリーショップなどやはり様々です。

【一日の様子】

朝6時30分、ハウスの友達と自転車に乗って、ひっそりと静まったままの街へ繰り出します。風を切って自転車をこぐと、冷たい空気が身にしみるので防寒着が欠かせません。コンビニも無くお店も殆ど開いていないので、私たちは目的地もなく、ただ行きたい方向に走ってゆきました。

午前の授業では、前半の2週間が英語のスキルアップ授業、後半の2週間が各ストランドに分かれての授業です。ストランドの内容はとても難解で、午後にはTAが午前中の授業内容をフォローしてくれる時間があり、分からないことがあればTAに質問していました。また、それでもよく分からないときはハウスで勉強会を開いて深夜まで議論するなんてこともありました。
夕方には色々な過ごし方があります。TAが企画したイベントに参加したり、パブに行ったり、サッカーやテニスをしたり、本当に様々です。TAの企画はとても充実していました。特にケンブリッジを流れるケム川を船で下るパンティングは、非常にエキサイティングでした。川を下りながらTAが各カレッジの名称や歴史を紹介してくれ、川下りを純粋に楽しむ一方、とても勉強になりました。そして筋肉痛にもなりましたが。

 

【休日の過ごし方】

プログラム前半の週末は、ロンドンやオックスフォードを観光しましたが、他の週は他のメンバーと少し違った過ごし方をしました。というのも、プログラム後半にあるStudentConcertでピアノを弾くことになってしまったのです!

前半の英語のクラスでお世話になった先生とその教え子であるTAが歌い、伴奏は私でバッハのミサ曲を演奏することになりました。木曜日に譜面を渡され、全7ページ。結構 本気でやらなきゃ間に合わない、と感じた私はその日から猛練習を始めました。休日が訪れると、ハウスのメンバーが遊びにいっている中、私はダウニングカレッジのピアノで一日中練習をしていました。日曜日にリハーサルがあり、月曜日の授業が終わった後もすぐに教室にこもって練習。イギリスまで来てピアノを猛練習するとは、出発前には想像のつかなかったことでした。そして、本番の火曜日。緊張していた私をTAや友達に励まされたおかげで、本番は大成功。後から振り返ってみると、ピアノを沢山練習してTAや先生とリハーサルを重ねて本番に臨んだという経験は、このプログラムを通じて一番の思い出になっていました。ケンブリッジの人たちと、言葉だけでなく、音楽を通じてコミュニケーションを取れたということは、私にとってかけがいのない経験でした。

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