ウィリアム・アンド・メアリー大学夏季講座 体験談10

体験談10 2017年度参加 文学部3年 T・Mさん

【1日の様子について】

午前中は、講義とダイアログ・クラスがあります。講義は、ジェンダーや人種問題、アメリカの消費などそのテーマは多岐にわたっていました。講義後に行われるダイアログ・クラスでは、現地の院生が講義内容を簡潔にまとめ、各自の疑問点を発表し、院生やその講義の講師がそれに答えてくれるという形でした。個人的には、語学力の壁以上に、母国語ではない言語を用いることによって自分が何を考えどう伝えたいのかを明確にする貴重な経験ができたと実感しています。

午後は、大学図書館などでフォーカス・グループ・ワークを行います。決めたテーマをもとに、現地の学生のサポートでエビデンスを伴う理論を組み立てていきました。グループによっては、テーマから考え直しとなるところもあり、そうでなくともエビデンスの所在や理論の明確さが求められるので、プレゼン前日はどのグループも深夜まで準備を進めていました。結構大変でしたが、論文やプレゼンテーション作成において重要となるthesisの在り方や結論を先に提唱し理論を進めていく方法など、今後の大学での研究において非常に有益なものを多く得ることができました。

フォーカス・グループ・ワークが終わった後の時間は、ほぼ毎日何らかのイベントが用意されていて、大学周辺をぶらぶらしたりアウトレットモールでの買い物を楽しんだりなど、ごく普通の日常を感じられました。

休日は、ビーチでの海水浴や野球観戦、リッチモンドでのSlave Trail体験など、アメリカの日常や歴史に溶け込みながら現地の文化を経験する機会にも数多く恵まれました。その中での現地の学生との雑談は、新たなフレンドシップを得る素晴らしい機会でした。

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(キャンパス周辺の様子)

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【フィールドトリップについて】

プレゼン終了後の数日は、ワシントンD.C.に移動してフィールド・トリップを行いました。要は観光で、私は友だちとジョージタウンやホワイトハウス、動物園などいろいろ回りました。自転車のレンタルやUberで街をめぐる友人もいました。D.C.での時間は本当に一瞬で過ぎてしまうので、行きたいところは事前に考えておくことをおすすめします!(⇒右の写真:ホワイトハウスでの1枚)

また、日本大使館を訪れる機会もありました。それは、このプログラムのリーダーがプログラムでの生活や講義内容に関するプレゼンを行い、その後職員の方のお話を聞くというものでした。職員の方は、日米友好のために行っていることなどを話してくれましたが、やはり何をするにもコミュニケーション能力が非常に重要だという言葉が印象に残っています。当然のことのように聞こえるかもしれませんが、このプログラムに参加すれば、言葉の壁によって、ただ普通に会話することでさえもその難しさを痛いほど感じることになります。しかし、語弊を恐れずに言うなら、そんなときに最も大事なのは語学力があるかどうかよりも相手の言葉を理解し、自分の言葉を伝える努力を辞めないことです。それがどんなにぎこちないものだったとしても、それは立派なコミュニケーションです。こちらが恥ずかしがることでもないし、相手もスムーズに会話ができないことを嫌がったりしません。それを繰り返して関係は作られていくので、日本語と英語は違うからとかいう諦めは置いといて、そのコミュニケーションを頑張って、そして楽しんでください!

【最後に】

私は、もう自分でも笑ってしまうほど本当に英語を聞き取るのもしゃべるのも苦手で、自分で応募を決めはしましたが、実を言うと出発当日まで乗り気ではありませんでした。ただ、案ずるより産むが易しという言葉は割と当たっていて、実際に行ってみると嫌でも現地の学生と話すことになるし、何を言っているのかわからないことはあっても、なぜか事実それはとても面白くて、現地の学生と話すことは本当に楽しいものでした。正直、このプログラムで語学力が大幅に向上するということはないと思います。ただ、私ほど聞くことにも話すことにも苦手意識ありまくりだった人間が、何の恐れもなく現地の学生と会話したり、笑い合ったりできるほど英語に関する心のハードルは間違いなく下がります。私は、それだけでも十分このプログラムに参加する価値だと感じています。それが、帰国後に英語の勉強に取り組んでみたり、アメリカ文化に触れてみたりするきっかけにでもなればもう最高なのではないでしょうか。だから、このプログラムに参加すると決めている人はもちろん、参加を迷っている人はとりあえず応募してみてください。すべてが経験となって自分の力になるはずです。

もちろん、私がこのようにこのプログラムのことを楽しく振り返ることができるのは、ともに参加した慶應の仲間たち、担当していただいた先生方や現地の学生やディレクターなどこのプログラムを支えてくれたすべての人々のおかげです。心より感謝申し上げます、本当にありがとうございました。

  

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(最終日の集合写真)

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