ケンブリッジ大学ダウニング・コレッジ夏季講座 体験談14
体験談14 2019年度参加 商学部2年 M・Tさん
【1週目の授業】
1週目の授業は、ドラマワークショップと少人数制の講義だった。まず、ドラマワークショップでは、体を使ったゲームをしたり、グループで「変化」をテーマに5分間のドラマを作成したりした。人前で発表する機会が多く、内気な私は、最初は恥ずかしいなどと思っていた。だが、慣れてくるにつれて自然と自分に自信が持てて堂々と人前で演技ができるようになった。次に、少人数制の講義について。このクラス分けは、ケンブリッジに到着した次の日に行われるライティングと面接で決定する。この授業によって、イギリスやケンブリッジ大学に関する基礎知識を身につけることができる上に、授業で積極的に発言する力もつく。英語での発言のため、少し不安はあったが、先生が優しかったため何の心配もいらなかった。
(ダウニング・コレッジのキャンパス内の様子)
【2週目の授業】
2週目には、個人プレゼンがあり、授業もそれの準備に充てられた。プレゼンの主題は、「ケンブリッジに関する人やものについて。」私は、ケンブリッジ大学の卒業生で、プーさんの生みの親であるアラン・アレクサンダー・ミルンを選んだ。元々プレゼンは苦手だったため、何度も何度も練習し、友達にも聞いてもらいアドバイスをもらうなどして、納得がいくまで準備をした。無事に終えることができた時には大きな達成感があった。そして、プレゼンのあとは、3つの授業から1つを選択し、その授業を受けた。私はビジネスの授業を選択した。そこでは、イギリス市場で販売したら儲けるだろう日本の商品をプレゼンするものだった。映像を用いたりデモンストレーションを行ったりするなど、どのグループもアイデア満載のプレゼンをしており、聞いていてとても楽しかった。また、自分のグループもダンスを披露するといった、リスナーの興味を引くような工夫を取り入れた。やっている自分たちも楽しむことができた。
【後半2週間の授業】
後半2週間は、ストランド別の授業をうけた。私は国際ビジネスを専攻したので、マーケティング戦略やCSRなどといったビジネスに関する専門的なことを学んだ。授業の内容が難しいだけではなく、英語による講義であったため、正直ついていくのに必死だった。発言をしたくても答えが浮かばなかったり、英語でうまく説明できなかったりと、納得のいく発言ができないことが増え、悔しかった。だが、これらの授業を通して英語のリスニング力が強化されたし、商学部で学んできたことに対する理解を深めることができた。そして、このコース別では、個人課題1つとグループプレゼンが2つあった。特に個人課題は、人生通して今までやってきた課題の中で1番ハードなものだった。その課題は、英国市場で商品もしくはサービスを売るためのビジネスプランを考えるものだったが、戦略やコスト計算など細かいところも全て考えなければならず本当に苦労した。何度も心が折れたし、諦めたくなったことも多々あった。だが、周りの仲間やTAさんが相談に乗ってくれたおかげで無事に完成させることができた。この経験によって、自分の知識不足や思考力のなさを痛感したし、今後の自身の改善点を明確に理解することができたと思う。最後に、2つのグループプレゼンについて。これらも割とハードで、睡眠を削って取り組んだ。1つは、ある産業のペスト分析がテーマで、もう1つは、具体的なある企業の内外分析とそれを生かした戦略を発表するものだった。仲間同士で意見が合わずうまく準備が進まないこともあったが、お互いに助け合い、納得のいくプレゼンをつくることができた。プレゼンを終えた時には、むしろ終わってしまったことに対して寂しさを覚えた。
(最終プレゼンの様子)
【最後に】
このプログラムを通して、私が得たものは、自信と最高の仲間である。まず、自信について。以前は、人前で発言や発表をすることは苦手で、ましてやそれを英語ですることには大きな抵抗感があった。だが、ドラマワークショップや4回のプレゼン、そして講義を通して、人前で堂々と英語を話すことができるようになったし、積極的に発言できるようになった。さらに、このハードなスケジュールを、一度も体調を崩さず全てこなせたこと自体も私に自信を与えてくれた。
そして、仲間について。仲間がいなければこんなに楽しくて充実した1か月にはならなかったと思う。みんな優秀で面白くて、そして優しい人達だった。仲間がいたから、毎日大笑いして過ごせたし、つらい課題や授業も乗り越えることができた。時に一緒にふざけ合い、時に真剣に語り合い、そんなことができる仲間をたくさん作れたことは、私にとってこのプログラムにおいての宝物である。
今、このプログラムに参加するか悩んでいる人へ。悩んでいるのであれば、ぜひ参加してほしいと思う。私自身、ものすごく悩みに悩んだ挙句、参加することを決め、その結果多くのものを得ることができた。このプログラムに参加すれば、何か1つでも自分を成長させてくれる出会いがあると私は思う。この体験談が悩んでいる人の背中を押すことができていれば幸いである。
(最後の修了式にて)