クイーンズランド春季講座 体験談8

体験談8  2019年度参加 経済学部2年 K・Iさん

【はじめに…】

今回、私は初めて旅行以外で海外に行きました。はじめは、不安でいっぱいでしたが、研修は私の想像をはるかに超えた貴重な経験ばかりでした。是非、来年度以降に参加を考えている方の参考になれば、という思いでこの体験談を書きました。

項目は大きく分けて、大学生活、休日の過ごし方、日常生活、ホームステイ、Site Visitの5つあります。いずれも、私や他の参加者の体験をベースにしつつ、反省点やアドバイスをできる限り多く書きました。参加応募前、渡航前に是非活用してください。

大学生活
・通学編

ホームステイ先と学校との位置関係によって15分で着く人もいれば、1時間以上かかる人もいたので、ホストファミリーに通学方法をしっかりと確認しましょう。Brisbaneでは、Go Cardという交通系ICカードがあり、電車やバス、さらにはCity Catという船にも乗れるので購入すると便利です。

〈アドバイス〉

バスは、日本と違い、乗るときと降りるときにカードをかざします。また、各停留所の車内案内も流れないので、注意してください。電車は、一つのホームに複数の路線が乗り入れているので、同様に乗り間違いに気をつけてください。余談ですが、オーストラリアではチャージ機のタッチパネルの反応が非常に悪いです。また、チャージ料金ぴったりのお札しか入れることができません。私も操作にてこずってしまい、後ろに並んでいる人に迷惑をかけてしまってので、始業前の学校の停留所などの空いている時間にチャージするとトラブルも避けられると思います。

・授業編

 授業は大きく分けて、English for Academic PurposeとInternational Relationsの二種類あります。

(English for Academic Purpose)

二週間のうち、一週目では主に効果的なプレゼンテーションの手法を学びました。学習の仕方は、先生の講義のみならず、良い例と悪い例の映像を見たり、実際に発声をして練習したり、と多岐に渡り非常に活発的な授業が展開されました。二週目の月曜日にプレゼンテーションをする機会があったので、それに向けての準備としても効果的でした。二週目では主にエッセイの書き方を学びました。こちらも講義に加え、様々なExerciseを通して、エッセイの形式、構造、参考文献の書き方等を学びました。研修後の事後課題に1,200字程度のエッセイがあったので、それを書くための助けにもなりました。

授業では他にも、省略表現、オーストラリアの大学生の生活、オーストラリア固有の生物、オーストラリアの家やシャワーの文化など様々なことを学びました。オーストラリア人はよく省略表現を使うので、省略表現の紹介は普段の会話での理解に役立ちました。

(International Relations)

国際関係論の授業では、RealismとLiberalismの概念を学んだうえで、歴史的な対立や戦争の解決の仕方を学びました。また、同授業内では、イギリスによるオーストラリアの植民地時代から現代までの歴史、現在のオーストラリアの政党や選挙制度、さらにはアボリジニとの関わり方と多岐にわたる内容を学習しました。授業内容は決して平易なものではなく、時には理解が難しいものもありました。しかし、授業中にグループで内容を確認したり、先生に質問したりする時間が設けられていたので、授業内容の細部まで深く理解できました。

〈アドバイス〉

国際関係論の授業では、課題としてプレゼンテーションが出されました。授業内容に関連する点も多いので、授業内にしっかりとノートを取りことを勧めます。また、研修前にPre-course Readingというのをもらいました。全部を完全に理解することは難しいかもしれないので、授業に関連するところ重点的に読んでいくと、授業内容も理解しやすくなると思います。

・昼食編

 キャンパス内には多種多様なお店があり、オーストラリアの「多様性」を強く感じました。昼食費は、日本に比べると割高だったので、ホームステイ先の家から食べ物を持ってきている人も多くいました。味付けは、お店によって様々なので研修中にたくさんの種類を試して、自分の好みを見つけるのも楽しいと思います。ちなみに、今回の研修メンバーの中で人気だったのは、ハッシュドポテトとハワイアンピザでした。良かったら試してみてください。

・放課後編

授業の終了時間が日によって異なるので、放課後の過ごし方も日によると思います。今回の研修メンバーの過ごし方の一例を紹介するので、良かったら参考にしてください。

(スポーツ)

クイーンズランド大学は、非常に広大なキャンパス故に運動施設がとても充実していました。利用料金を支払えば、誰でもジムやプール、バスケットコートなどが使えます。この研修では、授業が慶應生のみで行われるので、現地学生との交流機会が少ないですが、今回の研修では現地学生と一緒にバスケットボールを楽しんだ参加者もいました。

(UQショップ)

クイーンズランド大学(University of Queensland=UQ)には、大学限定グッズを取り扱っている店がありました。パーカーやノートなど、商品が豊富にあるので研修の思い出に購入してみるのもいいと思います。

(図書館)

図書館も運動施設同様、とても大きいです。カフェが隣接していて、開放的な空間で学習できます。書籍や学術誌の多くがオンラインデータ化されていて、研修参加者にもアクセス権があるので、プレゼンテーションの準備や自己の専門分野の学習に非常に役立つと思います。

この他にも、町の中心地に遊びに行ったり、ホストファミリーと一緒に過ごしたり皆さんの興味にあった過ごし方をすると研修がより充実したものになると思います。

・番外編

オーストラリアの大学は、3月始まりということもあり、研修期間中は丁度大学の新歓期でした。日本と同様に数多くのサークルや部活が新入生の勧誘に励んでいましたが、オーストラリアでは活動に関連した食べ物や飲み物、グッズ、さらには試遊とまるでテーマパークのような盛り上がりがありました。途中休憩や昼休み足を運んでみてはいかがでしょうか。

(↑大学での昼食~ハワイアンピザ編~)

休日の過ごし方

最初に断っておきますが、あくまで学習目的で研修に参加しているので、遊びに熱が入りすぎて、学習に支障が出ないように気をつけてください。また、Brisbaneは比較的治安がいいですが、夜間は必ず複数人、あるいはホストファミリーと一緒に行動することを強く勧めます。その上で、Brisbane周辺には日本にないような観光施設等があるので、是非オーストラリアならではの経験をしてみてください。

(Gold Coast & Sunshine Coast)

日本では、Gold Coastの方が有名ですが、Sunshine Coastも素敵な海岸です。Gold Coastに比べると、観光地化がそれほど進んでいないので、雰囲気は落ち着いています。どちらの海岸も波が高いので、サーフィンをしている人も多くいました。サーフィンの講習会をしていることもあるので、良かったら参加してみてください。それぞれの海岸の周りには大きなショッピングモールがあるので、食事や買い物もたくさんできます。また余談ですが、私はタピオカが好きでよく『貢茶』に行くのですが、Sunshine Coastのショッピングモールの中にもあったので飲みました。同じ店でも日本に比べてトッピングの種類が豊富で、puddingが美味しかったです。グローバル化故に、日本にある店がオーストラリアにもたくさんありましたが、売られている商品が全く違うので比較してみるのも、一つの楽しみだと思います。

(Eat Street)

Eat Streetは、各国の料理、スイーツ、飲み物が楽しめる場所です。入場料3ドルを払って中に入ると、そこはテーマパークのような空間が広がっています。カラフルなネオンで彩られた写真スポットが至る所にあり、ダンスや歌が披露されるステージを見ながら食事を楽しめます。料理は、和食・中華といった定番から、ブラジル・ギリシャ・マレーシアなど日本ではなかなか出会えないものまで豊富にあります。

(Mt. Coot-tha)

Brisbane市街を一望できる山です。頂上までは、車で行くことができます。Brisbaneは日本に比べると、高層ビルが乱立していないので見晴らしがとてもいいです。昼と夜とでは様相が全く異なるので、二つのBrisbaneを楽しんでみてはどうでしょうか。

(South Bank)

South Bankは街の中心地にある、人工ビーチです。水は淡水なので海特有のべたべた感なしで楽しめます。夜の12時までオープンしているのも魅力の一つです。夜はビーチ内がライトアップされていて綺麗です。ビーチから眺める夜景もとても素敵です。

              

(Eat Streetのアイスクリーム屋にて)                      (夜のSouth Bank)

日常生活

・ボトル

 オーストラリアの水は日本に比べると高く、500mlで4ドル(日本円で300円程度)

します。毎日買うと、かなりお金を使うことになります。そこで重宝するのがボトルです。キャンパス内には、至る所に冷水機があるので、ボトルがあれば無料で飲むことができます。注意点としては、ガラス製のボトルは政府機関への持ち込みが禁止されていることがあるので注意してください。

(補足)

オーストラリアの飲み物は、日本と全く異なり口に合うものを探すのが大変かもしれません。また、お茶を探すのが大変です。僕個人がオススメするのはSoloという炭酸のレモネードです。色々試して、失敗しつつ、その失敗を楽しみ、好みの飲み物を探してみてください。

・襟付きの長袖

Brisbaneは亜熱帯気候のため外は蒸し暑いですが、その反面屋内はとても寒いです。また、政府機関訪問時やプレゼンテーションの時にフォーマルな格好をすることを求められます(実際は、それほど厳しくないですが)。寒さ対策、フォーマルな服装という点で襟付きの長袖が一つあると重宝すると思います。

ホームステイ

本研修の一番の特徴といっても過言でないのが、ホームステイです。ひとえにホームステイといえど各家庭で家族構成、家庭内ルールが違いますが、どの家庭でも貴重な経験になることは間違いないです。ここでは、なるべく皆さんの役に立ちそうな情報を書きます。

(研修前)

ホームステイ先がわかるのは、研修のほんの数日前です。その数日の間でなるべく連絡を取り、お互いを知ることに努めるのみならず、設備(ドライヤー、タオルなど)の確認もしておくといいと思います。また、ホームステイは二人一組の人もいれば、一人の人もいます。二人一組になった人も同様に、事前にお互い連絡を取ることを勧めます。特に、Wi-Fiに関する連絡は重要だと感じました。一人で一台借りると、かなりの高額になりますが、二人で共有できるのであれば、費用も抑えられるのでお勧めします。

(研修中)

先述した通り、授業は慶應生のみで行われるので、英語を話す機会は比較的少ないです。この研修を通して、少しでも英語を話せるようになりたい人は、積極的にホストファミリーと会話をすることを勧めます。家庭によっては、ホストマザーあるいはホストファザーが教師ということもあり、文法指導をしてもらったという参加者もいました。私も、プレゼンテーションの準備において、文法と間をあけるタイミングのチェックをしてもらいました。はじめは大変かもしれませんが、自己スキルの向上のみならず、ホストファミリーと友好な関係を築くきっかけにもなるので、是非積極的に会話をしてみてください。

(研修後)

私は研修後も積極的にLINEでコミュニケーションをとっています。話す内容はいたって日常的なことであっても、意外とオーストラリアからすると興味深いことがあったりするので、文章でも電話でも連絡を取り続けることは双方にメリットがあると感じています。

(ホストファミリーとの一枚)

Site Visit

 研修プログラムということもあって、2週間の間に政府機関や動物園など様々な施設に行けることも特徴の一つだと思います。ホームステイ同様、施設ごとに内容は全く異なり、ここで各々を説明したところでキリがないので、一般的なアドバイスをしたいと思います。

・訪問前準備

事前に施設の概要を頭に入れておくと、解説内容も理解しやすいと思います。特に、議事堂や裁判所での説明では、専門用語をたくさん使用されるので、こちらも事前に調べておくと理解しやすいと思います。

・訪問時の服装

 政府機関ではなるべくフォーマルな格好のほうが礼儀正しいと思います。(実際はそんなに厳しくないですが)意外と忘れがちなのが足元で、サンダルではなく靴を履くように注意しましょう。ここではさらに、Lone Pine Koala Sanctuary (動物園)での格好についてアドバイスします。まず、コアラと写真撮影をしたい人は長袖を持っていくと安心だと思います。コアラは意外に爪が鋭く、私は写真撮影後爪痕がくっきりと腕に残ってしまいました。また、カンガルーに餌付けしたい人は、靴を履いていくことをお勧めします。カンガルーの餌付けは広大な野原のようなところでやるのですが、葉が非常に長いのと至る所に糞が落ちているので、靴のほうが歩きやすいと思います。

 どの施設でも、貴重な体験ができることは間違いないです。場所によっては、普段は入れないようなところまで行けるので思い切りその瞬間を楽しんでください。

【最後に…】

実は、今回の研修は例年と違いオーストラリアの森林火災のため、当初予定されていたキャンベラには行くことができませんでした。最初は、キャンベラの美しい街並みや、首都での政府機関訪問を楽しみにしていたので残念でした。しかし、そのおかげでGovernment House(参加者の中で、最も人気だったSite Visit)に行けたり、ホストファミリーとより長く過ごせたりと、結果として良かったと思います。オーストラリアでのすべての出会いが私にとって価値あるものでした。来年度以降の参加者の皆さんも素敵な出会いができることを祈っています。最後まで、読んでいただきありがとうございました。

そして、今回一緒に研修に参加した皆さん、研修の手助けをしてくれた方々、先生方、そして二週間お世話になったホストファミリー、ありがとうございました。