シドニー大学春季講座 体験談8

体験談8 2018年度参加 文学部2年 A・Nさん

【現地研修について】

今回私が参加したシドニー大学春季講座では、主にビジネス英語とコミュニケーションの基礎を学ぶ授業や、内部または外部から講師の方々を招いて行われるより実践的な講義、さらにオーストラリアの自然や歴史・社会経済などを学ぶフィールドトリップの3つが大きな柱として設定されていました。      

まずは授業や講義に関してですが、プログラムのテーマであるビジネスストラテジーやそのマネジメント、リーダーシップやチームワーク、異文化コミュニケーションといった内容について熟考し、学生同士で互いにディスカッションを行うだけはでなく、渡航前に開かれた事前研修で扱ったものをも含め、レポートの書き方やプレゼンテーションの方法といったような技術面にも踏み込みつつ、英語で聞き英語で話す機会を通して、多岐の範囲に渡る様々な体験ができたように考えています。特に、今まであまり関心を抱けずに苦手意識を持ちあわせていたビジネスマネジメントをメインテーマとする講義形式の授業では、その分野における経営管理の基本構造やglobal integrationとlocal responsivenessによる戦略の4分類型を可視化することで分かりやすく教授していただいたため、新しい領域にも興味を抱くきっかけとなった印象深い時間として記憶に残っています。

また最終授業では約3週間で得たことをもとに、総まとめとして少人数のグループ単位でプレゼンテーションを行いました。私は、オーストラリアと日本の多文化共生への取組みや歴史的な比較、さらにそれらを織りなすものである異文化コミュニケーションに関する発表を行い、英語による発表スキルの向上と同時に、既述の2カ国に対する知識をより深めるといった自身の目標を、ある程度は達成できたと感じています。

【フィールドトリップ&ホームステイについて】

一方、現地の海や公園、銀行といったような歴史的に価値のある場所を訪れたフィールドトリップにおいては、実際に自分自身の肌でオーストラリアの自然や歴史・社会経済を体感することで、将来教壇に立つという夢を叶えた際にその経験を基盤として、生徒に生き生きとした授業を教授できるのではないだろうかと強く思いました。そして、このフィールドトリップと並行して初めてホームステイというものを体験したことで、より深く海外(オーストラリア)の文化に触れることができたと実感しています。現地のシドニー大学の学生と直接交流をはかり、共通言語である英語を介して仲を深め、一緒にイベントやショッピングセンターに赴くことに限らず、ホームステイ先でしか味わうことのできない料理や生活様式を体験することで、日本にとどまっていては得ることのできないであろう、全く新しい視野を持つことができました。

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(Serf Live Savingを行ったMaruobra Beachでの一枚)

【最後に】

振り返ってみると、こうしたオーストラリアに住む方々との交流においては、授業で扱った異文化コミュニケーションにおいて重視されるべき行動、すなわち異なった価値観を認め、それらを尊重し、相手の立場に立って物事を考えてみることを実践することで、それらが大いに役立っていたと思われます。もちろん、今プログラム中で全てのことが上手くいったとは断言できません。例えば、うまく環境の変化に適応することができず第2週目早々に体調を崩してしまい、その週のほとんどの授業に出席することが難しく、貴重な機会を無駄にしてしまったことは大変悔やまれます。ですが以上のように、約3週間という限られた時間の中で、これから先それなりの働きをもつであろう様々なことを色々な人々から、また色々な場所から得ることができたのは、留学に行ってみようと志すモチベーションとなっていた「自分自身の知見を広げる」という目標があってこそだったと考えています。海外には様々な人が存在しているということ、何かを学ぼうとする意欲の強い人がたくさんいるということ、オーストラリアには異なったバックグラウンドを持つ他者に寛容的な人が多くいるということ等を自身の目で見て、肌で感じ、実際に上記の目標を達成することができたのは、私の人生における何らかの重要な転換点になったと思います。語学力を伸ばすことができたかどうかは定かではないですが、日本とオーストラリアの特徴比較を客観的・多角的な立場から行って、日本の良さを改めて感じることができたのも留学に行ってみないとわからないことだと思われるので、この点においても、今回の短期留学講座プログラムは私にとって有意義なものであったと考えています。

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(シドニー大学の様子)

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