慶應義塾大学短期日本学講座(KJSP)体験談3

体験談3 2012年度参加 法学部政治学科2年 N・S さん

政治・経済・文化といった大きなテーマを先生方が留学生達に教える一方で、僕たち日本人学生にできることは、よりリアルな日本・日本人を伝えることではないかということです。   KJSPは今回が第一回のプログラムということで事前の情報が少なかったため、僕自身はこのプログラムでどういう役割を果たせばいいのか、最初は手探りの状況でした。プログラムが進んでいく中で感じたことは、政治・経済・文化といった大きなテーマを先生方が留学生達に教える一方で、僕たち日本人学生にできることは、よりリアルな日本・日本人を伝えることではないかということです。   

プログラム中に留学生達と行動を共にする中で、彼らからたくさんの質問を受けました。電車で移動している時には、何故日本人は電車の中でこんなに静かなのかと質問されたり、何故日本人はこんなに時間に正確なのかとも聞かれました。またもっとプライベートな、日本人の恋愛事情であったり友人との付き合い方に関しても、留学生はかなり好奇心をもっていたようでした。

僕たちはこのような質問に対して、なるべく分かりやすく、誤解のないように答えるように努力しました。先生方が日本における学問的なテーマについて講義する一方で、日常生活を通してでてくる日本の文化についての疑問に答えるということは、日本人学生の大きな役割であったように思います。留学生達が日本に長期留学することを考えるときには、彼らが日本で何を学びたいのかということも当然重要ですが、日本の文化に適応できるかということも、留学を決める際の大きな要因になるからです。

しかしこれらのたくさんの質問に答えるのには、かなり苦労しました。僕たちは日本の文化(時間に正確であったり、謙虚さを重視したり)を当たり前のものと認識しており、それを留学生達が理解できるように英語で伝えるのは容易ではなかったからです。しかし個人的には、この経験は大変貴重なものになりました。自分が当然のものと考えていた日本の文化と他の国の文化を比較する中で、改めて日本の文化を捉えなおすことができたからです。時にはショッキングな文化の違いもありましたが、それも含めて自分の視野を広げることができたと考えています。

     

このプログラムはキャンパスで行う講義だけではなく、町を散策したり、日帰り旅行に行ったり、日本の伝統文化を体験したりと、様々なアクティビティを留学生と一緒に行うことができます。日本人学生にとっては様々な国から来た留学生達と異文化交流できることに加えて、日本の文化についても見直せるとても貴重な機会になると思います。今後長期の海外留学を考えている方などは、その一歩前のステップとしてKJSPに参加されてみてはいかがでしょうか。

  

*プログラムの内容は毎年、若干変更があります。