ウィリアム・アンド・メアリー大学夏季講座 体験談14
体験談14 2024年度参加 商学部2年 K・Mさん
【応募をしたきっかけ】
小さい頃から英語に親しんではきたが、現地の英語に触れる機会を増やしたいと思い、この短期留学プログラムに参加することを決めた。自分に足りないスキルを自覚し、帰国後もさらなる英語力の向上を目指していきたいと思った。また、将来公認会計士としてグローバルに働いていくための教養としてアメリカの文化についての知識を身に着けたいと思った。
【大学がある日の生活】
ホテルで朝食をとった後、大学で講師の方をお招きしたフレームワークレクチャーが始まる。ここでは、社会的なジェンダーの問題やアメリカの現代音楽、宗教についてなど、幅広い分野のアメリカ文化を学んだ。講師によって話すスピードやレクチャーの仕方がさまざまで、複雑な内容のトピックが多かった。最も興味を持ったテーマは「植民地時代のウィリアムズバーグとその後」である。ウィリアムズバーグの植民地時代の様子について詳しく知ることができ、探求心をくすぐられた。「アメリカの信仰と精神性」のレクチャーでは、実際にキリスト教とユダヤ教、イスラム教の信者の方々に直接お話をお聞きすることができ、それぞれの宗教についての理解を深めることができた。さらに、アメリカ人は宗教に愛着と誇りを持っている一方で、日本人は宗教に関して無関心になりがちであるという文化的違いがあるということもわかった。
レクチャーが終わった後は、クラスに分かれてディスカッションを行った。ここでは互いに感じたことを共有し合ったり、インストラクターにわからないことを質問したりすることで、その日に受けたレクチャーの内容についての理解を深める。レクチャーをしてくださった方に直接疑問を投げることができる機会が設けられたため、より活発な議論ができてとてもよかった。
ディスカッションをして頭を使った後はみんなで大学周辺の店にランチを食べに行った。Mellow Mushroomというお店で食べられる特大サイズのピザはとても美味しく、みんなで分けて食べることで仲も深まった。また、Saladworksというお店のサラダやスープは日ごろの野菜不足を補うのに丁度よく、ほかの慶應生からの人気も高かった。その他にも、ハンバーガー屋さんやコンビニエンスストアなど、大学周辺には美味しそうなお店が沢山あったが、回り切るには滞在時間が短すぎた。
午後は、Focus group ごとに日米の文化比較のプレゼンの準備を行う。各グループにはウィリアム&メアリー大学のアシスタントがついていて、実際に文献調査などのアドバイスをもらうことができとても助かった。私のグループでは「日米のお土産文化の違い」を研究した。日本では贈り物としてお土産を渡す文化がある一方で、アメリカでは主に自分のためにお土産を買う文化があるということや、現在日本では特産物を使ったご当地のお土産が多く販売されているということなど、面白い発見ができた。プレゼンに向けた準備では、各自が原稿をなるべく見ないで練習するなど、お互いに刺激し合って高め合うことができた。本番ではそれぞれが最大限の力を発揮でき、皆で健闘を称えあった。
プレゼンの準備が終わると、各々キャンパスショップに行ってお揃いのパーカーを買ったり、キャンディショップに行って配る用のお土産を買ったりと有意義に時間を使うことができた。そのほかにもミニゴルフやスーパーマーケットで買い物などをして充実した時間を過ごした。プレゼンの2日前のフリータイムに、大学の中庭で、空が暗くなるまでみんなでバレーボールをして汗を流したことが一番思い出に残っている。
(中庭でのバレーボール)
【休日の過ごし方】
休日には、ワシントンD.C.やリッチモンド、ウィリアムズバーグ近くの海に行くなどをして気分転換をすることができた。ワシントンD.Cの観光では、ミュージアムの数の多さと広さに圧巻された。さらに、ワシントンナショナルズ対エンジェルスの野球の試合を観戦したり、ホワイトハウスの前で記念写真を撮ったりとワシントンを満喫することができて大満足だった。リンカーン記念堂から見たワシントン記念塔は、下に広がったプールと相まってとても綺麗だった。
(ワシントン記念塔) (野球観戦)
ビーチでは青空の下でバレーをしたり、かき氷を食べたりして夏の海を存分に楽しんだ。リッチモンドでは、Kilwinsのアイスクリームを食べたり、チョコレートショップなどのお店を見て回ったりした。アメリカ人の店員さんの、気さくな人柄に好感を得た。
【街の様子】
ワシントンD.C.は、ゴミ箱の設置台数が日本と比べて多いと感じた。また、ウィリアムズバーグは周囲を見回すとリスがいるほど自然が豊かだったのだが、ワシントンD.Cは非常に都会的な街並みだった。 (ウィリアムズバーグにいたリス)
【この留学で得たこと】
個人的にまだまだ成長が必要だと感じた力は、感じたことを英語にする能力はもちろんのこと、どんなトピックであってもしっかりと自分の意見や主張を考えることができる力である。レクチャーの内容について理解しきれていない部分があるとか、今まで深く関わって来なかった内容について議論をするとなったときに、自分の中で考えをまとめ上げるのに時間がかかってしまい、整理がついても、話の流れ的に言い出せないということがよくあった。しかし、考えたけれど伝えることができなかった分をその日の課題のジャーナルに書いて提出することで伝えることができたことはよかったと思っている。それに、じっくりと一人で深く考えられることが自分の長所でもあるということに気づくこともできた。
母語以外でレクチャーを受け、聞き取ることは大変であった。しかし、全部の英語を聞き取れなくても、聞き取れた複数の単語をつなぎ合わせることで、話すスピードの速いレクチャーでも内容を理解できるということが学べた。また、スライドを関連させたり、話者の背景を想像したりしながら、その人は何を伝えるために演台に立っているのかを意識して聞くことは、能動的に話を聞く姿勢を保つためにも大事なことだと感じた。
【最後に】
この短期留学を通して、日米の文化の違いを楽しく、深く学ぶことができました。温かく迎え入れてくださった現地の方々、並びにこのような貴重な機会を設けてくださった慶應義塾大学の関係者の皆さんに心から感謝しています。ありがとうございました。