シンガポールマネジメント大学春季講座 体験談2

体験談2 2018年度参加 経済学部2年 Y・Sさん

【現地研修について】

このプログラムの大きな目的は、3週間かけてソーシャル・イノベーションとソーシャル・アントレプレナーシップ(社会的企業)についての実例や理論を学び、そして理解を深めていくことです。研修ではただ講義を一方的に受ける感じではなく,積極的なディスカッションが求められたり、現地企業へ訪問できる機会があったり、さらに研修終盤ではハノイでのフィールドトリップも行われました。ハノイでは、実際に社会的企業を立ち上げた方達のお話を聞く機会がたくさんあり、実際にどのように社会的企業が展開されているのかを知ることで、理解が一層深められました。そして、日本、シンガポール、ベトナムの三ヶ国を比較することによって、より多様な視点からソーシャル・イノベーションとソーシャル・アントレプレナーシップ(社会的企業)について知ることができ、とても有意義な時間を過ごせました。

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(ハノイでの研修の様子)

【研修中のグループワークについて】

私はこの研修を通してグループワークの難しさと楽しさの両方を経験することができました。研修を通して全部で2回ほどグループでプレゼンテーションをする機会があったのですが、グループ内で意見の対立があったことから、予想通りに準備が進まなかったり、途中で何回もテーマを変えたりしてとても大変でした。しかし、最終的には協力しながらグループの仲間と1つの課題を作りあげた達成感はすごくありました。普段日本ではこのようにグループワークがある授業は少ないので、今回の研修はグループワーク力を鍛えるのにすごくいい機会になったと感じました。

【ハノイでのフィールドトリップについて】

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ハノイ滞在中は、いろんな社会的企業へ訪問し、実際に社会的企業を立ち上げた方達のお話を聞き、アクティビティなどを通して社会的企業に対する認識を深めていきました。そして、毎回の昼食や夕食では皆で伝統料理をいただき、ハノイの名物である「エッグコーヒー」を堪能し、トリップの終盤にはベトナムの伝統芸である水上人形劇を鑑賞し、ハノイの文化に触れることもできました。(⇒左の写真:ハノイの伝統工芸体験)

ハノイでのフィールドトリップで特に印象に残っているのは、Kymvietという企業の社長にお話を伺った時のことです。Kymvietという会社は主にベトナム風の手縫いぬいぐるみを製造している会社なのですが、従業員はほぼ全て身体に障害を持っている人たちで構成されています。ベトナムでは社会的企業に関する法律が定められていて、希望を出して法律の審査が通れば法的に社会的企業として認定されるので、Kymvietも当然法的に認められた社会的企業であると思って話を聞いていたのですが、驚くことにKymvietは社会的企業として登録されていなかったのです。Kymvietの社長は世間から同情されたくなく、普通の会社としてビジネス界で戦っていきたいという思いがあったので、わざと社会的企業として登録しないという選択をしたのです。

シンガポールと日本には社会的企業に関する法律がないので、国によってこんなに制度に差があったことにびっくりしましたし、さらに法的に社会的企業として認められるのに敢えてその選択肢を取らないことにした企業もあるという事実を知りとても驚きました。このフィールドトリップを通して自分の視野の広がりを感じました。

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(ハノイでの集合写真)

【最後に】

真面目なことをたくさん書きましたが、勉強以外にも時間があれば他の参加者と共にシンガポール市内の観光地をたくさん周り、毎日がとても充実していました。3週間という短い期間でしたが、旅行だけじゃ得られない新たな知識や気づきが得られ、春休み最大の思い出となりました。

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(シンガポール ユニバーサルスタジオにて)

 

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