ノートルダム大学夏季講座 体験談6

体験談6 2016年度参加  商学部2年 R・Aさん

【現地での授業について】

ノートルダム大学夏期講座では主にアメリカについて、歴史、文化、経済、地理といった様々な観点から理解を深めることができた。講座は三つあり、アメリカについて文化、歴史といった角度から学んでいくAmerican Studies、アメリカ合衆国の公用語である英語について学ぶAcademic English Skills、そしてアメリカの商習慣について日本と対比させながら学んでいくJapan-US businessだ。初めにこの3つの講義について述べようと思う。

ノートルダム大学に滞在している間は主に午前中はAmerican Studiesを受講した。この講座では「アメリカンドリームとは何か?」をテーマとして講義は進んでいった。1492年のコロンブスによる新大陸発見以来のアメリカの歴史を見ながら、植民化、西部漸進運動とインディアン、黒人や黄色人種、そして女性といった様々なマイノリティの立場から、アメリカとはどういった場所、存在であったのかについて考えた。本講座が14人という少人数であったことも関係しているのかもしれないが、講義形式も日本のものとは異なり、アメリカ式のinteractiveな授業風景をよく表したものであったと思った。毎回の授業の前に各々があらかじめ与えられたリーディングリストを参考にしつつ与えられた問いに対して自分なりの考えを明確な根拠のもの用意し、授業中にそれについて発表、議論を行うといった形式であった。その中で、私が渡航前に抱いていたアメリカ≒白人といったステレオタイプが間違っているのだということを確認したとともに、いわゆるMelting Potとあらわされるアメリカの多様性を感じることができた。そして、Academic English Skillsではただ英語を学ぶだけでなく、会話の際のルールやプレゼンテーションの基本といった英語を用いた会話全体について学んだ。また、三つめの講義であるJapan-US Businessでは日本とアメリカの商習慣の基本的な部分について学んだ。日米の商習慣の違いは多くあったが、それらを考えてみると両国の文化の違いをひしひしと感じた。日本には伝統的にいわゆる「和を以て貴しとなす」、協調を重んじる文化、あるいは儒教の思想があったのに対し、アメリカには個人主義、Materialisticの思想が強かった。基本的にビジネスにおいても協調を重要視する日本に対し、回りくどいことはせず端的に、時には相手の言動を中断してでも、ゴールに向かって最短距離を走り続けるアメリカ。特に両国の会議風景がこれらの特徴差を顕著に表していると思う。

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【講座に参加して思うこと】

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この講座では講義以外にも様々な体験を通じてアメリカという国を感じることができた。土地の広大さには本当に圧倒された。学外活動として、インディアナ州サウスベンド、イリノイ州シカゴの街へとくりだしたが、ただ土地が広いだけでなく、そのすべてが有効に活用されている様を見ると、アメリカの豊かさを感じたとともに、アメリカという大国に畏怖すら感じた。と同時に、このような国を相手に第二次世界大戦以後、経済的競争を繰り広げてきた日本の大人の方々の努力を思うと誇らしく思うと同時に彼らに対して尊敬の念を抱かざるをえない。

このひと夏の体験は、一方では未熟さを感じさせてくれ、他方ではすこしだけ自信も与えてくれた。初めて訪れて、これまでは想像に過ぎなかったアメリカについて少しは明確な認識ができるようになった。本講座が私にとってかけがえのない経験となったことは間違いない。そして何よりとても楽しかった。

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