パリ政治学院春季講座 体験談10

体験談10  2015年度参加 法学部1年 S・Sさん

何よりも一番大切であるのは、「すべては自分次第」と考えること。

【なぜこのプログラムを選んだか】
最初、私は、三つの目的を持ってこのプログラムへの参加を決心しました。それは、第一に実際に現場で活躍する教授らの開発経済学や国際政治学の講義を受け、自らの視座を広げること、第二に、国際政治学関係の授業を受けた際、今私が学んでいる国際政治学と、どのような相違点があるのか確認し、自らの考え方の視野を広げること、第三に、国際機関でも用いられることの多いフランス語を向上させることです。これらの目的を、自らが納得できるほど達成できたかというと、自信を持って「はい」と答えることはできません。しかし、このプログラムを受けていく中で、まだまだ未熟な自分、まだまだ消極的な自分、まだまだ努力する必要がある自分を再認識いたしました。そのことだけでも、このプログラムへの参加は私にとって価値あるものとなっています。

第一の目標については、パリ政治学院の教授方との交流や、他大学の学生との意見の交換、また欧州連合における対外政策局の訪問を通して、世界で行われている開発政策をよりプラクティカルな視点で学ぶことができました。第二の目標については、一年生時に学んでいた国際政治学がアメリカ中心の視座であることを理解し、ヨーロッパから国際政治学や国際関係、開発学を視ることができました。このことは自らが持っていた従来の固定概念を壊し、視野を広げることにつながったと言えます。第三については、現地のフランス語の授業が文法中心ではなくオーラルコミュニケーションを中心とするものだったので、自分のフランス語会話の能力を向上させることができました。しかし、最終的にフランス語を一番よく使ったのは、パン屋さんでした。

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(ル・アーブルキャンパス訪問の後、エトルタにて)

【現地での生活について
今回の留学では学業面での成果以外にも、いつもとは異なる場で生活することの難しさと大切さを実感しました。いつもとは異なる食事や生活環境、料理や洗濯などの家事の必要性、友人との共同生活、新たな友人をつくることなど、新しい経験や挑戦が必要不可欠であったり、そのような環境でもしっかりと自らのポリシーを持って勉学に打ち込んだり、夜中まで論文制作を行ったりと、確かに大変ではありますが、とても楽しく充実した時間を過ごすことができました。この経験は一生忘れないと思います。また、一ヶ月のパリ生活ということで、観光では経験することのない体験を沢山しました。世界遺産や歴史的建造物、世界の歴史に登場する画家の作品が多く存在する美術館などを何度も巡り、資料ではなく実際に自分の目で見て確かめることが、より豊かな感性を磨くことにもつながったのではないかと考えます。 
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        (パリのマルシェ)       
 
【今後の人生の糧に
自らの糧になったことは多くあります。クリティカルに物事を考える習慣や、自らの意見を物怖じせず主張すること、より多くの友人を作ろうとする貪欲さ、通常とは異なる環境に置かれた時でも強い精神力を持って生活すること、そしてどのような事象であっても関心を持ちながらなぜなのか、と思考する力など、枚挙にいとまがありません。
しかし、その中でも、何よりも一番大切であるのは、「すべては自分次第」であるということだと考えます。留学を決心するのも、何か目的を持って参加することも、現地で積極的に行動することも、そしてそれらの経験をどのように生かすのかも、すべて自分にかかっているのだと身にしみて感じます。 
 
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(パリ政治学院の教室)

 

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