ケンブリッジ大学ダウニング・コレッジ夏季講座 体験談8

体験談8 2014年度参加  総合政策学部1年 A・Nさん

モチベーションの高い仲間・先生方と交流しながら自分の学びたい学問分野が明確に見えてきました。

私は、ケンブリッジ大学ダウニング・コレッジでどのような講義が行われ、何を学ぶことができたかについて報告します。私たちは、前半2週間は6クラスに分かれて英語の講義を、後半2週間はモジュールごとに分かれて専門分野(科学/英文学/国際関係)の講義を受けました。

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【英語の講義】
英語の講義は、午前がTAによる講義、午後が先生による講義でした。どちらの講義でも、あるテーマや読み物を与えられ、それに対して自分自身の意見を発する場面が大半を占めていました。内容としては、イギリス-日本間の政治や文化の違いや、プレゼンテーションにおける技能やフレーズのレクチャーなどの講義を受けました。内容を理解して頭の中で要約するという作業に加えて、それに対する自分の意見も瞬時に示さなければいけないので、慣れない間はとても苦労しました。自分の意見に対して先生やTA、学生が質問や感想を述べ、それに自分がまた回答するというプロセスを繰り返すうちに、自分の考えが深化していくことに気づきました。

TAの講義では、自己紹介を行った後に、お互いの親交を深めるためのゲームやレクリエーションを行いました。その後は、他のクラスの仲間を交えたディベートや、与えられたテーマについて自分がどう考えるかについてのプレゼンテーションを行いました。どちらも日本語で考える時間の余裕がなかったので、自然と英語で考える習慣が身についていく気がしました。先生による講義では、与えられた読み物や題材についてペアやグループで意見交換を行う活動や、プレゼンの進め方やプレゼンの中で頻繁に使用される表現や語彙を増やす活動を行いました。私は当初は仲間の英語能力の高さに圧倒され、内容を理解することで精一杯でした。それでも、英会話が飛び交う環境に慣れてからは、英語で瞬時に理解し自分の考えを発信する力がかなりついたように感じました。

前半の英語クラスのまとめとして、テーマ自由の個人プレゼンを行いました。選択したテーマについて「Introduction」、「Body」、「Conclusion」の順番でスライドを作成し、このスライドを用いて10分程度でプレゼンを行いました。私は、イギリスと日本の入浴文化の違いに驚いたので、それについて調査し、両国の入浴の文化比較を行いました。発表の後は質疑応答があり、クラスの全員が意見を発信できるように十分な時間が確保されていました。日本でのプレゼンは、発表者は聴講者に説明する「GIVE」の要素が強いように思いますが、イギリスでは質疑応答を通じて発表者自身への「TAKE」の要素も同じくらいに重要視されているように感じました。

モジュールごとの講義
2014DW_9.jpg後半2週間は、モジュールA(科学)に属して主に脳科学・神経科学について学びました。午前は先生によるスライドを用いた講義が主でした。先生は幅広い分野に精通されており、質問には気軽に応じてくださいました。午後はTAによる午前の講義の補習でした。プレゼンを遡りながら関連の動画を見せてくれたり、分からなかったところを学生目線で説明してくれたり、親身に接してくれたので講義内容を深く理解することができました。私は春学期に認知心理学の講義を取っていましたが、脳科学・神経科学についての基礎知識はほとんど持ち合わせておらず、内容の理解度は周囲の仲間より低かったのではないかと思います。しかし先生が、はじめのうちは全てを理解しようとせず理解できるところをきちんと理解するようにと仰っていたので、そうできるように努め、同じモジュールの先輩やTAに質問しながら徐々に理解を深めていきました。この講義において、他のモジュールの学生の前でプレゼンする機会は二度設けられました。一回目は個人プレゼンで、講義で使用されたスライドを1枚担当し、講義で理解したことに加えて関連のある科学的エピソードを発表するというものでした。私は脳科学分野で著名なH.Mという患者について紹介しました。二回目はグループプレゼンで、5人グループで10分程度の発表をしました。私たちのグループは依存症・中毒についてのプレゼンをしました。どちらの発表もTAが入念に原稿をチェックしてくれたので、当初の原稿をかなり改善した状態で発表することができました。発表では、いくつかの専門的な質問を受けました。英語で理解し、簡潔に回答をすることは難しく感じましたが、とても良い経験になりました。

2014DW_5.jpg【留学を終えて】
私は今回の留学が初めての海外経験でした。海外留学はとても不安でしたが、大学でしか経験できないことにチャレンジしたいという思いが高まり、不安を振り切って参加しました。今回の留学の一番の成果は、脳科学・神経科学に対して強い関心を持つことができたことです。脳科学の魅力は、未知の領域が無限大に拡がっているところだと思います。脳の機能を解明するには、脳神経科学、細胞学、電子工学、数学等の理系的な学問分野だけではなく、仮説を立てるために認知心理学などの文系的な分野も勉強する必要があります。複数の学問分野の学際域にある脳科学は、文理融合を目指すSFCで取り組む課題としてもふさわしいと考えています。私は留学後の現在、SFCで脳科学関連の講義を受講し、研究会に所属しています。また、今回の留学では講義だけでなく、1ヶ月間同じプログラムの仲間とケンブリッジ大学のTAと生活を共にし、深い交流を図ってお互いに良い人間関係を築くことができました。留学を終えた現在でも、ふと仲間との楽しかった生活を思い出すことがあります。また機会があれば留学をしたいと考えているので、それまで一層勉学に励み、多種多様な経験を積極的にチャレンジしたいと考えています

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