ウィリアム・アンド・メアリー大学夏季講座 体験談5

体験談5  2013年度参加 法学部2年 T・Sさん

“現地研修への心構えやメンバーとの協力関係ができたうえで出発できたことが
アメリカでの日々をより実りあるものにしてくれたと思う。”

【研修内容・成果について】

このプログラムは想像以上に中身の濃い事前研修で始まった。主体的に課題と向き合い、レポートに取り組む1ヶ月は非常にハードで、それを乗り越えた達成感はまた大きなものだった。現地研修への心構えやメンバーとの協力関係ができたうえで出発できたことがアメリカでの日々をより実りあるものにしてくれたと思う。

ウィリアムズバーグでの1日は、基本的に午前中はアメリカの文化や社会に関するレクチャーを大学の教員から受け、その後CI(Classroom Instructors)とともにダイアログクラスで、 レクチャーのテーマについてより深い話し合いを行い、質問や自分の意見を英語で表現するという形式で進んだ。 午後はコロニアル・ウィリアムズバーグや黒人大学といったレクチャーの中で取り扱った場所へ実際に見学に行くこともあった。コロニアル・ウィリアムズバーグは17世紀の植民地時代そのままの風景が再現された地域で、昔話に登場するような建築や、世界史の教科書で見たような衣装を着た人々をそこら中で見ることができた。一方、ハンプトン大学を訪れた時は、差別を受けた人たちの描いた絵の数々を目の当たりにした。

今回のプログラムでは、人種差別とジェンダーという2つのテーマを扱うことが多かった。6月に日本で制作した私たちのグループのプレゼンも、現地のPA(Peer Assistants)の提案でこの2つを題材として盛り込むことが決まった。日本にいた時でさえ苦労したプレゼン制作は多忙を極め、時には真夜中近くまでかかることもあった。私は黒人を起用したアメリカの広告についてのパートを担当したが、普段日本に住む私にはなじみの薄い題材であり、英語の資料を見つけることにすら苦労した。しかし、その分完成させた時の喜びも人一倍だった。

一方、私は昔からたくさんの人の前ではっきりと話すのを苦手としていて、そのうえ英語でプレゼンするということに大きな不安を感じていた。しかし、いざステージに立つと、それまで一生懸命プレゼンする人たちの姿を見ていたせいか、不思議とはっきり流暢にしゃべることができた。その結果、グループとしても個人としても満点の評価を得ることができた。

私たちがレクチャーやプレゼンと同時進行で取り組んだものにジャーナルがある。それまでの活動で印象に残ったものを英語で文章にするというものだが、私ははじめうまく書くことができず、CIの添削も直されてばかりだった。「日本と比べて書いてみろ」、「なぜ?と感じた部分をもっと掘り下げて書け」といったCIからのメッセージを受け、私はこれまであまり深く考えたこともなかった人種差別をテーマにジャーナルを書き始めた。といってもすぐにいい内容が浮かぶわけもなく、昼に書き始めた文章は締め切り間際の夜11時半になってもほとんどできていなかった。同時進行だったプレゼン制作も終わり、後がなくなったとき、私はもう一度アドバイスの言葉を思い出し、自分の感じたことや疑問に素直に書いてみようと思った。すると、不思議とまったく止まることなく書き上げることができた。結果、私のジャーナルは満点を獲得した。


(ウィリアムズバーグでの現地研修にて。現地学生達も交えての集合写真。)

【最後に】

最後に私たちを支えてくれた現地の学生について書きたい。私は聞き取りに少し不安があったが、同室だったJordan、PAとしてプレゼンに協力してくれたAllison、CIとして一緒だったHelis、書ききれないがほかのみんなも、話していて楽しかっただけでなく、私が体調を崩し倒れていたときも本当に心配してくれた。心から感謝したい。


(三田での事後研修にて。事後研修は10月にインターネット・ビデオ・カンファレンス形式で実施。)

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