クイーンズランド大学春季講座 体験談3

体験談3 2017年度参加 文学部1年 S・Iさん

【現地研修について】

オーストラリア、クイーンズランド大学にて国際関係学の基本的理論を英語の講義を通して学び、ディスカッションやプレゼンテーション等で国際関係学への理解を深めました。内容としては、realism・liberalismとは何か、realist・liberalistの国際関係に対する考え方、critical theoryの起源と国際関係学におけるcritical theory、国際関係での平和の役割と紛争の解決策、国際政治における統治に関する再考、世界の原住民の権利、についてでした。また、オーストラリアの国際社会への関わり方を見る上で重要となるオーストラリアの歴史についても一から学びました。先生はどの学部の学生でも理解できるようにひとつひとつ丁寧に解説してくださいました。学生が疑問点や意見を気兼ねなく発言やディスカッションをできる授業となっていました。

午前中は基本的に英語を学ぶ授業でした。アメリカ英語ともイギリス英語とも異なるオーストラリア英語独特の発音や言い回し、English writingの書き方やEnglish presentationの効果的な伝え方等を学びました。

また、Buddyと呼ばれるクイーンズランド大学に通う現地の学生とお互いの文化について話し合うこともありました。彼らと一緒にランチをすることもありましたし、彼らと図書館を見て回ったり街を訪れる時間もありました。週末は、コアラやカンガルーなどオーストラリアの動物と触れ合えるLone PineやQueensland's State Parliament Houseを訪れたり、Queensland Government Trade and Investment Officesで日本とオーストラリアの貿易に関する話を伺う機会もありました。他には、留学メンバー全員で観光地であるGold Coastへ赴くこともありました。

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(キャンパス内の建物

【ホームステイについて】

ホームステイは、2~3人で一家庭のところもありましたが、私は1人一家庭でステイマザーと生活を共にしました。マザーは多くの社会問題に関心を持っており、大学の授業内容も非常に聞きたがっていましたので、家に帰ってから授業内容を話すことがホームステイ中の私の日課になりました。その内容について話しているうちに毎度ディスカッションに発展し、大学内だけでなくホームステイ先でも多くのことを考え意見を述べることができましたし、現地の考えも聴くことができ、貴重なホームステイ経験をすることができたと思います。

【今回の留学を通して学んだこと】

私は今回のプログラムに2つの目的を持って参加しました。1つ目は海外生活を通して英語による、より円滑なコミュニケーションができるようにすることでした。授業内ディスカッションやホームステイを通して以前よりこの能力が上がったと思います。2つ目は国際関係学はもちろんのこと、多文化社会、特に多文化教育について学ぶことでした。オーストラリアの歴史、政治を講義や校外学習を通して学ぶことで、オーストラリアはどのようにして多文化社会になり多文化教育をするようになったのか、という事について自分なりに考えました。

しかし、その学びと考えだけでは、オーストラリアにおける多文化教育への真の理解には繋がらないと考え、「オーストラリアという多文化社会の中でオーストラリアの人々は今までどのような教育を受けてきたか」に関するアンケートを個人的に作成し、10代から70代までの人にご協力をお願いし統計を取りました。このアンケートで分かったことは、世代によって受けてきた教育がはっきり異なることでした。年配の方ほど、家庭内でも学校でも多文化教育を受けてはおらず、通っていた学校に異なる文化を持つ生徒はいなかったという回答でした。一方、若い世代ほど、家庭内でも学校でも様々な文化について学び多文化社会に対する理解も高く、異なる文化を持つ生徒が学校に多くいたという回答でした。この回答を今回学んだオーストラリアの歴史や国際関係学の基本理論と照合し、その時の政権や政策理論等が教育政策に大いに関わっていると考察しました。

今回のプログラムで学んだことが、私がこれから研究したい内容に非常に役立つと思われます。白豪主義を掲げアジアに対して排他的であったオーストラリアが、多様性を受け入れる現在のオーストラリアにまで成長し多文化教育をするようになった流れから日本は見習うことが多くあると思います。日本は久しく国際化を謳い「多文化教育」を目指しているといわれますが、実際のところは排他的社会である日本に相応しい多文化教育はどのようなものか、について今回のプログラムでの学びや気付きから考えていきたいと思います。

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(ブリスベンの中心街)

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